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ウェブアクセシビリティ 第2回「文字サイズの変更 変更ボタンの設置について」

2023.01.20 ウェブアクセシビリティ

ウェブアクセシビリティについて、これまでのWebサイト制作現場での実績や体験をもとに、気を付ける点や知ってほしい内容を連載します。
第2回目は「文字サイズの変更 変更ボタンの設置について」として、「文字サイズ(テキストサイズ)変更ボタン」のアクセシビリティ対応について説明いたします。

「文字サイズ変更ボタン」例

上の画像のように、Webサイトのヘッダーに文字サイズを変えられるボタンが設置されているのを見かけると思います。
ここで注意していただきたい点は、文字サイズ変更ボタンの設置≠アクセシビリティ対応の達成と、設置しただけでは達成基準1.4.4 テキストのサイズ変更の達成は果たされない点です。

達成基準1.44では、以下のように定義されています。

キャプション及び文字画像を除き、テキストは、コンテンツ又は機能を損なうことなく、支援技術なしで 200% までサイズ変更できる。

「支援技術なしで」と記載されていますが、「Webサイト自体でサイズ変更できる機能を搭載すべき」という意図はなく、「コンテンツを拡大縮小することは、主にユーザエージェントの責任である」とWebブラウザ(ユーザーエージェント)に200%までのサイズ変更を求めているため、「文字サイズ変更ボタン」設置は達成基準においては関係ないものとなります。

ただし、文字サイズの大きさをpx(ピクセル)で指定していると、一部ブラウザでは文字の拡大・縮小ができなくなり、達成基準1.4.4 テキストのサイズ変更の達成基準に満たなくなりますので、文字サイズは%やem指定等、相対値で指定するようにしてください。

文字サイズ変更ボタンは、Webブラウザの拡大・縮小機能を知らない、またはその操作方法が分からない方へ向けて有用であると捉えられるため、設置自体は良いと考えられます。
ですが「他のWebサイトで設置されているから」等、内容をよく分からないまま対応することは、アクセシビリティの本質を損ないますので、その意図や基準をしっかりと把握した上で対応をお願いできればと思います。

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